iPhone 16シリーズは修理しやすくなったと話題ですが、Apple Watch Series 10はどうでしょう?

残念ながら、修理の難易度はあまり変わらないようです。専門家による分解では、依然として高い技術が必要とされることが判明しました。

接着剤たっぷり、極小ネジがいっぱいで、一般ユーザーには手を出しづらいというのが現状です。

iPhoneは改善、でもApple Watchは?

最近のiPhone 16シリーズでは、修理しやすくなった点が大いに評価されています。特にバッテリーの交換が簡単になり、iFixItなどの修理専門家も驚きの声を上げています。でも、Apple Watch Series 10はどうでしょう?正直に言って、期待に応えてくれていないんです。

修理の難しさがほとんど変わっていないため、Apple Watchの分解や修理は相変わらずプロフェッショナルの領域です。iFixItが行った分解では、修理可能性のスコアが10点中たったの3点という結果に。iPhoneの修理しやすさが7点と高評価を得ているのに対して、Apple Watchの進歩は残念ながら鈍いままです。

「これは一体どういうこと?」と思う方も多いでしょう。要は、Apple Watchの内部は極めて小さく、パーツも非常に繊細なので、修理を簡単にするには限界があるというわけです。また、ケースの接着剤がしっかりと固められているため、開けるだけでも一苦労。温めて慎重に作業しないと、重要な部品を壊してしまう恐れもあります。

Appleが環境への配慮を掲げつつも、修理のしやすさについてはまだ課題が残っています。「修理の権利」が強調される昨今、この問題が改善される日が来ることを期待したいところです。

シリーズ10の修理が難しい理由とは

Apple Watch Series 10の修理が難しい理由は一言で言うと「接着剤」と「小ささ」です。この2つが揃うと、どうしても修理のハードルが高くなります。分解してみると、バッテリーやセンサーなどの重要部品はすべて強力な接着剤でしっかり固定されています。バッテリーには引き抜き用のタブもなく、電圧をかけて外すこともできません。

また、Apple Watchはそのコンパクトな設計が魅力ですが、その分修理作業が非常に細かくなります。たくさんの小さなネジやクリップを慎重に外していく必要があり、少しでも手元が狂うとパーツが壊れてしまうことも。これでは一般のユーザーが自宅で修理するのはほぼ不可能です。

さらに、修理が終わったとしても、再び元の状態に戻すことがまた大変です。部品を正確に組み立て直し、再度接着するには高度なスキルが必要です。しかも、水密性を保つためには、極めて厳しい精度で作業しないといけません。これだけ手間がかかると、Apple Watchの修理は交換品に頼るほかない状況です。

「だったら新しいのを買っちゃおうかな…」という考えも浮かびますが、やはり手軽に修理できる選択肢が増えてくれることを願いたいですね。

環境にやさしいけど、修理には厳しい現実

Apple Watch Series 10は、Appleが「気候中立」と謳っている環境にやさしい製品の一つです。確かに、それは素晴らしいことです。でも、環境にやさしいからといって、修理が簡単かというとそうではありません。環境配慮と修理のしやすさが両立していないのが現実です。

環境に優しいとは言え、製品が簡単に修理できないと、結局は使い捨ての文化を助長してしまう可能性があります。Apple Watchは長期間使える製品ですが、故障した時に修理が難しいと、新しいものを購入する方が手っ取り早いと感じてしまうでしょう。このジレンマは、今後のAppleの製品開発にも影響を与えるかもしれません。

特に問題となるのは、バッテリーやディスプレイの交換です。これらの重要なパーツが簡単に交換できないと、製品の寿命が短くなり、環境への影響も増える可能性があります。「修理の権利」という議論が活発になる中、Appleもこの課題に向き合う必要があるでしょう。

とはいえ、Apple Watch Series 10は確かに魅力的な製品です。そのデザインや機能性は申し分ありません。ただ、「修理のしやすさ」という点では、まだまだ改善の余地があるのも事実です。