華為(ファーウェイ)の最新スマホ「Mate 70 Pro」が登場しましたが、注目のポイントは性能だけではありません。搭載されているプロセッサ「Kirin 9020」が、なんと7nmプロセス技術を引き続き使用しているというのです。
この背景には、中国の半導体業界が抱える技術的な課題があります。AIや次世代技術にどんな影響を及ぼすのか、これからが見ものです。
一方で、7nm技術の進化がまだ続いているという話もあり、今後の動きから目が離せません。
7nmの壁に挑む華為の最新スマホ
華為の最新モデル「Mate 70 Pro」が話題ですが、その注目ポイントは性能だけではないんです。実は搭載されているプロセッサ「Kirin 9020」が、7nmプロセス技術を引き続き採用しているんですよ。この7nmって一体何?と思う方もいるかもしれませんが、簡単に言うとプロセッサの細かさを表す単位みたいなものです。細かくなるほど高性能になるので、業界的には「もっと小さく!」が合言葉なんです。
でも、華為は「あえて」7nmにとどまっています。その理由のひとつが、最新の製造技術を手に入れるハードルの高さです。特にASMLの最新の半導体製造装置を使えないことが、中国全体の半導体進化を足止めしているんですよ。それでも7nmの技術を改良し続けているのは、「今できる最善を尽くす」という華為らしいポリシーなのかもしれません。
それにしても、スマホの性能に関して言えば「7nmでも十分じゃない?」と思わせる仕上がりです。ただ、スマホだけでなくAIや他の分野に広がるとどうなるのか、そこが次の大きな注目ポイントですね。
AI分野への影響、進化が遅れる理由
スマホでは十分と言われる7nm技術ですが、AIの世界ではちょっと事情が違います。AIには膨大なデータを高速で処理する能力が必要なので、もっと進んだ製造技術が求められるんです。例えば、アメリカのNVIDIAが開発しているチップはどんどん小さくなり、性能が進化しています。それに対して華為の「Kirin」シリーズは、2世代くらい遅れていると言われています。
この遅れの原因は、中国が抱える技術的な壁です。半導体製造に欠かせない最新装置が輸入できないため、開発スピードが鈍化してしまうんですよ。今のところ、華為はAI分野では「量で勝負」する戦略を取っているようです。つまり、多くのプロセッサを使って大量のデータを処理する仕組みを作ろうとしているんですね。でもそれって、最新のプロセッサ1つでできることを10個の旧型プロセッサでやるみたいな感じで、効率が悪いのも事実です。
華為がこの状況をどう乗り越えるのか、AI分野での戦略が今後の見どころになりそうですね。
未来の5nm技術はいつ手に入るのか?
「次は5nmだ!」と言いたいところですが、実際にはまだ先になりそうです。華為は5nmクラスのプロセッサを開発中と噂されていますが、これが実際に製品化されるのは2026年ごろになると言われています。この遅れの背景には、やっぱり製造技術の壁があるんです。5nmを作るにはさらに進んだ装置が必要で、それを手に入れるのが一筋縄ではいかないんですよね。
でも、未来は明るいかもしれません。華為は現在の7nm技術をさらに改良して「N+2」や「N+3」と呼ばれる次世代の技術を進めています。これが実現すれば、5nmに近い性能を実現できる可能性もあるんです。少し回り道にはなりますが、中国の半導体産業は地道に前進しています。
とはいえ、世界のリーダーであるTSMC(台湾積体電路製造)やSamsungと比べると、まだ数世代の差があります。この差をどう埋めるのか、そして華為が再び世界の最先端に戻れるのか。技術的な挑戦は続きますが、少しずつ未来が形になっていくのを楽しみにしたいですね。