マイクロソフトが2025年第2四半期の決算を発表しました。売上は約696億ドルと前年同期比12％アップ！ なのに、なぜか市場の反応はいまいち。
理由の一つは、AIへの巨額投資。クラウド収益は好調なものの、AIインフラ整備にお金がかかりすぎて利益率は微妙。しかも、需要が供給を上回る「AIキャパ不足」問題も発生中。
サティア・ナデラCEOは「AIがもっと普及すれば、結果オーライ！」と強気の姿勢。でも本当にこの戦略は成功するのか？ 投資家の不安は尽きません。
好調な売上も投資家の期待に届かず？
マイクロソフトの2025年第2四半期決算は、売上696億ドルで前年比12％の増加！ しかし、投資家のリアクションは「まあまあ」といった感じで、株価はむしろ下落しました。
その理由の一つが、クラウド事業の伸び悩み。Azureなどのクラウドサービスは前年比31％成長したものの、市場予想には届かず。「AI関連の売上は好調だけど、従来のクラウド事業が足を引っ張っている」とCFOのエイミー・フッド氏も説明しています。
さらに、次の四半期の売上予想が期待値を下回ったことも、投資家のガッカリポイントに。市場予測は698億ドルだったのに対し、マイクロソフト側の見通しは677億〜687億ドル。「えっ、それだけ？」と投資家たちはちょっと拍子抜けしてしまいました。
ナデラCEOは「Windows 10のサポート終了に向けてPC需要が上がっている」と前向きですが、全体の売上構成を見るとPC関連の成長はたった4％。クラウドとAIに比べると、やや頼りない数字です。
要するに、売上はしっかり伸びているのに、投資家が求める「爆発的な成長」には届かず、「まあ悪くないけど、もっと頑張ってよね？」という雰囲気になっているわけです。これからのマイクロソフトは、どう投資家を納得させていくのでしょうか？
AI需要は爆増！ でもサーバーが追いつかない？
AIへの期待は高まり続けていて、マイクロソフトのAIサービスの売上はなんと前年比157％アップ！ ところが、あまりにも急成長しすぎて、今度は「サーバー足りない問題」が発生しています。
CFOのフッド氏も「AIサービスの需要が、こちらの予想をはるかに上回っている」とコメント。要するに、マイクロソフトがAIを売りたいのに、計算をするためのコンピュータ資源が追いついていないんです。
この結果、マイクロソフトは第3四半期には「AIの処理能力が足りなくなる」と予想。でも「2025年度末にはなんとか間に合わせる！」と強気の姿勢を見せています。今後、どれだけ早くインフラを増強できるかが勝負のカギになりそうです。
しかも、AIの計算には莫大な電力が必要なため、電気代やデータセンターのコストも増大中。「AIで稼げるぞ！」と思いきや、その裏では膨大なコストと戦うマイクロソフトの姿があるわけです。
とはいえ、AI技術がどんどん安くなれば、より多くの人がAIを使えるようになります。ナデラCEOも「AIがもっと普及すれば、結果的にマイクロソフトにとってはプラスになる」と発言。つまり、「最初はお金かかるけど、長期的には勝つ！」という戦略を描いているようです。果たして、この賭けは成功するのでしょうか？
80億ドル投資の勝算は？ ナデラCEOの狙いとは
マイクロソフトは、AIのインフラ整備に今年だけで80億ドル（約1兆2,000億円）を投じる計画です。これにより、AI関連のサービスをより強化し、「AI時代の王者」になろうという狙いがあります。
ナデラCEOは「AIがより普及すれば、それだけ計算量も増える。結果として、マイクロソフトのビジネスにもプラスになる」と楽観的。しかし、投資家たちが気にしているのは、「今のペースでお金を使い続けて、本当に利益につながるの？」という点です。
この点について、マイクロソフトは「AI市場全体の成長を見越しての投資」と説明。たとえば、AIを活用した新しいサービスが増えれば、それに必要なクラウドやコンピュータ資源も増え、結果としてマイクロソフトのクラウド事業も潤うという考え方です。
また、ナデラCEOは「AIの計算コストが下がれば、さらに多くの人がAIを使うようになる」とも発言。つまり、今はインフラ投資にお金がかかるけれど、将来的にはコストが下がり、利益率も改善すると読んでいるわけです。
ただ、競争は激化しており、メタ（Facebookの親会社）も同じくAIインフラに巨額投資を発表。業界全体が「AIの覇権を取るぞ！」としのぎを削る中で、マイクロソフトの戦略が本当に功を奏するのか、まだ不透明な部分もあります。
果たして、この「80億ドルの大勝負」は吉と出るのか？ それとも、あとから「やりすぎた！」と後悔することになるのか？ マイクロソフトの今後の動向から目が離せません。
Source：The Register