Googleが1月に配信したPixel 4aのアップデート、どうやら「バッテリー改善」どころか逆に悪化させてしまったようです。

なんと、最大充電電圧が下げられたことで、実質的なバッテリー容量が約40%も減少。今まで丸1日使えていたはずが、わずか8時間も持たないなんて声も。

Googleは無料のバッテリー交換やストアクレジットなどの補償を用意していますが、そもそもなぜこんな変更が行われたのか、詳細な説明はまだありません…。

Googleの”バッテリー改善”アップデート、なぜか逆効果に?

Googleが1月に配信したPixel 4aのアップデート。公式には「バッテリーの安定性向上」と発表されていましたが、ふたを開けてみるとユーザーから悲鳴が続出する事態になっています。

「アップデートしたらバッテリーが激減した!」そんな報告が相次ぎ、以前は丸一日持っていたはずのPixel 4aが、たった8時間で息切れするようになったのです。アップデートが「改善」どころか「改悪」になってしまったのはなぜでしょうか?

Googleによると、このアップデートは「バッテリーの持続時間が短くなる可能性がある」との注意付きでした。しかし、まさかここまで激しく減るとは誰も予想していませんでしたよね。ユーザーからは「ここまで変わるなら事前にもっと詳しく説明してほしかった」との声も上がっています。

さらに驚きなのが、Googleがこのアップデートを「緊急メンテナンスリリース」として配信したことです。通常のアップデートと違い、事前の認証プロセスが省略された特別なバージョンだったのだとか。何がそんなに急を要する問題だったのか、詳しい説明は一切ありません。

そして、このアップデートに関係するのかどうかは不明ですが、Googleは過去のPixel 4aのアップデートデータをすべて削除しました。つまり、元の状態に戻す手段が絶たれてしまったのです。これはユーザーにとってかなり痛い話ですよね。

Googleは影響を受けたPixel 4aユーザー向けに補償を用意していますが、それについても「十分なのか?」という疑問の声が。次の見出しでは、なぜバッテリー持ちが激減したのか、その原因について詳しく見ていきます。

何が起こった? 最大電圧が下がってバッテリー寿命が激減

今回のPixel 4aアップデートで何が起こったのか? 実は、バッテリーの「最大充電電圧」が引き下げられたことが原因だと判明しました。

通常、スマホのバッテリーは電圧の範囲内で充電され、その最大値が高ければ高いほど、バッテリーに蓄えられる電力も増えます。ところが、今回のアップデートでPixel 4aの最大電圧は4.45Vから3.95Vに引き下げられました。

たった0.5Vの差? と思うかもしれませんが、この変更によって、バッテリーが使える容量が約44%も減少することに。もともと3.3Vが最低電圧とされているため、単純計算すると可動範囲がかなり狭くなってしまうのです。

では、なぜGoogleはこんな変更を加えたのでしょうか? 公式からの説明はありませんが、専門家の間では「バッテリーの安全性を考慮したのでは?」という見方が強まっています。

スマホのバッテリーは長期間使っていると劣化し、発熱や膨張、最悪の場合発火のリスクもあります。特にPixel 4aは発売から数年が経過し、バッテリーの寿命を迎えている端末も多いはずです。Googleはリスクを減らすために、最大電圧を下げて安全性を確保しようとしたのかもしれません。

しかし、この変更によってバッテリー持ちが大幅に悪化したのも事実。しかも、アップデート後は「適応型充電」や「充電時間の推定表示」といった機能まで削除されました。これでは、バッテリー持ちを気にするユーザーにとってはまるで踏んだり蹴ったりですよね。

バッテリー持ちが激減したPixel 4a、ユーザーとしてはどうすればいいのでしょうか? そこで次の見出しでは、Googleが提供している補償プログラムについて詳しく見ていきます。

ユーザーの悲鳴…Googleの補償プログラムは十分なのか

「バッテリーが1日もたない!」そんな悲鳴が飛び交う中、Googleは影響を受けたPixel 4aユーザー向けに補償プログラムを発表しました。

補償内容は大きく3つ。1つ目は「無料のバッテリー交換」、2つ目は「Googleストアで使えるクレジット」、そして3つ目が「現金50ドルの支払い」です。これだけ見ると悪くなさそうに思えますが、問題は「対象者が限定されている」こと。

無料のバッテリー交換を受けられるのは、一部の条件を満たしたユーザーのみ。具体的な条件は公開されていませんが、すべてのPixel 4aユーザーが補償を受けられるわけではないようです。

また、ストアクレジットや現金50ドルの補償も、「バッテリーの持ちが悪くなった分をカバーするには足りない」という声が続出。Pixel 4aのバッテリー交換費用は一般的に100ドル前後かかるため、「半額にすら届かない」と不満を持つユーザーも多いようです。

さらに、「そもそもこの補償の存在を知らなかった」という人も少なくありません。Googleが積極的にアナウンスしていないため、知らないまま不便な状態で使い続けているユーザーもいるのが現状です。

では、このアップデートを回避する方法はあるのでしょうか? 残念ながら、Googleは過去のソフトウェアバージョンを削除してしまったため、ロールバック(以前の状態に戻すこと)はできません。結局のところ、Pixel 4aユーザーは「この状態に慣れる」か「新しいスマホを検討する」しか選択肢がないというのが現実です。

今回のアップデートでPixel 4aは、バッテリーの持ちが大幅に悪化し、利便性も下がる結果になってしまいました。Googleの補償が十分かどうかは、今後の対応次第かもしれません。

Source:9to5Google